『六月の勝利の歌を忘れない』

改めて見ると、韓国映画のタイトルみたい。

ご存知の方も多いと思うけど、2002年サッカーワールドカップの日本チームのドキュメントフィルムです。
あのトンデモナイ熱狂の中での、選手の練習風景が見られる。
あれから、もう4年も経つのかー、と感慨深い。
緒戦のベルギー戦開始時の異様な雰囲気が忘れられない。

期待、不安、緊張、余裕、自信、本気、圧力、暑さ。


プロアスリートの身体的・精神的タフさと、その鍛え方を垣間見る。
試合直前なのに体を鍛える、鍛える。
練習後には必ずマッサージされている様子が映されていた。

あのプレッシャーの中で戦うのはしんどいな。
選手の乗ったバスが試合会場へ向かう道路の沿道には人・ひと・ヒト。
その押し寄せる期待に観てて軽く鳥肌が立ったのだから実際の選手への圧力はすさまじいものだったに違いない。戸田の言葉がNUMBERに載っていたが、試合があった夜以外は睡眠薬がないと眠れなかったそうだ。

トルシエは今じゃジーコと比較され、分が悪いけど、ワタシはトルシエは嫌いじゃなかった。スマートだったな。
ミーティングもフィルムに映ってたが、トルシエの話はかなり説教くさい。傍から観るとそう感じるが、選手はきちんと聞いてる。それもプロか。

やっぱり中田英寿は凄い。別格だ。
このフィルムには試合中のハーフタイムも克明に撮っている。試合中の問題点を整理し、ロッカールームで即座に意見を交わす。
沈みがちな雰囲気を自ら鼓舞し、盛り上げる。
逞しいリーダーだ。

トルコ戦で西澤を使った意味も知った。
トルシエの経験から、グループリーグに出場した選手は油断するから、新しい選手を使ったのだ、と。

フィルムの中にも各試合のダイジェストがアニメーションっぽく流れるんだけど、勝った試合もそうでない試合も内容でいったら、大差はない。
楽な試合なんてない。ほんのタッチの差で勝負が決まっていたことを今になって感じた。

貴重な記録だ。