美談にするな

JR福知山線脱線事故が起こった。

第一報を聞いたとき人身事故の一つかと特に気にせず過ごしていたが、
死者の数が時間を追うごとに増えてきていることに、とんでもない
事故であるとわかった。


原因は特定されていないが、
運転手のスピード出し過ぎだとか、線路に置き石があっただとか、
線路がカーブだったとか、マンションがすぐ近くにあるだとか、
戒告処分をうけた運転手であるだとか、車両の強度が高くないだとか、
安全対策が十分じゃなかっただとか、
が推測されている。


こんな大惨事になるのには、ひとつの要因だけでなく様々な要因が不運にも
重なっているのであると考えている。


JR西日本のいかにも置き石のせいにしようとしているのは非道い。


ところで、
ワタクシはこのようなときに思うのは、救出者が美談にされることである。

「事故発生から○○時間後に生存が確認され、無事救出されました。」

こんなマスコミが作り出す 「美談」 にウンザリだ。


新潟中越地震ときも崖崩れの瓦礫の中から幼い子が救出されたときもマスコミはこぞって
「美談」に仕立て上げた。

大惨事ののち生きていることが発見されたのは、喜ばしいことである。


しかし、大惨事に遭遇したことで既に不運なことであり、被害者でもある。

不幸中の幸い、とか言って「よかった、よかった」と大惨事を忘れてはいけない。


マスコミは「美談」に酔っている場合じゃない。
原因究明と再発防止を一刻も早くしろ。