『野獣死すべし(1980)』
リリー・フランキーの誘いに乗り、観る。
松田優作の作品はほとんど観たことはなかったが、
鬼気迫る演技に迫力を感じる。
どちらかというと狂気な姿のシーンが多いので、物静かなイメージをもっと入れてもよかったと思う。
そうすればもっと狂気さが引き立つ。
あと、映画のスケールの大きさをもっと生かしてもよかったのでは、とも思う。
印象的だったのは、リップ・ヴァン・ウィンクルのことを語る件。
イイ!
狂気に満ちながら、淡々と、銃を構えながら語る姿に釘付けになる。
狂気の中で秩序通りというか矛盾は起こっていなかったが、逃走中という緊迫した極限状態で狂気に狂気が重なり、秩序が崩れ、矛盾が生じ、新たな殺人が起こる。
だが、そのあと「普通」に戻っているのが不思議だ。
ラストのシーンはなんとなく読めた。
誰にやられたのかわからないけど。
観終わって、気がついたら自分の目つきが鋭くなってた。
狂気や。
絶賛!というわけではないけど、松田優作の存在感の強さを感じた。