『東京物語』

東京物語

はじめての小津作品
退屈なホームドラマと予想していたが・・・
観始めると、見事に惹きつけられる。飽きない。

淡々とした夫婦の会話で物語は進行するが、扱っている内容はシビアで苦しい。
内容はシビアで苦しいからこそ、夫婦の穏やかな言葉と仕草と風景が全体に暗い印象を与えない。
しつこさがない。

夫婦の物語であり、親子の物語であり、人の絆を問いかける。

笠智衆はこのとき49歳!
残りの半生ずっと「おじいちゃん」のままだ。

原節子を初めて観た。
「いい人」や。原のための作品といってもいい。


物語で問題は解決されたわけではない。
けれど、希望を持ったラストで、ハッピーになることを匂わせて幕が閉じる。

いい日本映画だな。