『月はどっちに出ている』

『月はどっちに出ている』
崔洋一監督作品。

観ているとき長く感じたので、あまり楽しめなかったのだと思う。
でも、とても印象的で頭に強く残っている。

東京で出自の異なる二人の恋愛模様と、彼らを取り巻く人々をコメディタッチで「ホントにこんな人がいそう」というように映し出す。
タクシー会社の仲間たちは低所得でダメ男なんだけど、なんだか憎めない人々。

在日朝鮮人の忠男は自分の立場がよくわかっていて、無意味にキレたりせず、淡々と日々を生きている。在日朝鮮人はすぐキレるイメージがあったので、それをひっくり返した。おそらくこれが一般的な彼らの生活だろう。
コニーの関西弁が秀逸。可笑しさを醸し出す。

その日暮らしに近い生活なんだけど、絶望感も感じられない。
それなり楽しい生活を送っているんだろう。
漠然とした不安はなくならないが、薄まってきた。